8。蝶々の話

ある日、一人の女の人が、自然の中を歩いていました。 彼女は、とても自然が好きで、 そして蝶々がとくに好きでした。 この日たまたま、彼女は通りがかりに、蝶々が繭から 出ようとしているのを見つけました。 この蝶々は、一生懸命もがきながら、繭から 出ようとしていました。 彼女には、この蝶々が苦しみもがいて、そして痛みを感じて いるのがわかりました。 それで、彼女は繭をやぶって、この蝶々をやさしく外に出し、 助けてあげました。 ところが、この蝶々は、自由になった途端、飛ぶどころか、小さく ちじこまってしまいました。

この女の人は、蝶々を家につれて帰り、元気になるまで世話することにしました。 3日間が過ぎ、それでも蝶々は地面にちぢこまったまま、飛ぼうとはしませんでした。 この女の人は、蝶々の専門家に電話しました。 蝶々の専門家は、蝶々が羽を、 繭に叩きつけて、飛ぶための力をつけることを、彼女に話しました。 はたから見れば、 蝶々は苦しみもがいているように見えても、それは蝶々にとって、十分な力をつける ための、必要な過程なのです。 彼女は、自分が蝶々の苦しみを取ってあげたいが ために、逆に蝶々に害を与えてしまったことが、理解できました。 それで、彼女は、 蝶々に小さな繭をつくってあげて、蝶々をそっとその中に入れました。 彼女は、 蝶々がのたうちまわり、苦しむのをっじっと、見守りました。 そして彼女は、この美しい 生き物が、その羽を大きくひろげ、楽々と空中を飛ぶのを、びっくりして眺めて いました。

もしあなたが、誰かを苦しみから救ってあげたいと思った時、そしてその人の苦しみを 取り去ってあげたいと思った時、ちょっと立ち止まって、考えてみてください。 人が 苦しんでいる時、あなたからの一番のおくりものは、ただ静かなやさしい激励と、 心の支えなのです。 なぜなら、苦しみの時というのは、その人にとって、自分が 強くなるための、また独立独行になるための、欠かせない大切な時だからです。

この蝶の話から、私は大切なことを学びました。